オナニーは

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源大納言雅俊一生不犯(ふぼん)の鉦打たせたる事   

(宇治拾遺物語 巻1 11)

「おなにーは?」

 むかーし昔、京極の源大納言雅俊という人がいました。

法要の際 、仏前で僧侶に鉦を打たせるのに、一生不犯(いっしょうふぼん-一生戒律を守って、童貞である)

の者を選びました。
 
 或る僧侶が、座に座って、ちょっと顔色が変わって、鉦を叩く撞木(しゅもく)を手にして、

ぶらぶらしながら、打ちもしないで、しばらくためらっております。

 大納言は、どうしたのだろうと訝しく思ったけれども、なおしばらくは何も言わないで

様子を窺っています。周りの人たちも、はらはらしています。

 その僧侶が、震え声で、

「一生不犯とおっしゃいましたが、オナニーはどうでしょうか?」

と言ったので、周りの人間は、顎がはずれるほど、どっと笑いました。

 一人の侍が、

「そのオナニーは、何時したのかな?」

と尋ねました。
 
 その僧侶は、首を傾げながら、

「確かに、昨夜もいたしました。」

と言ったので、その場にいた人たちは、みんな腹を抱えて笑い崩れました。

 そのどさくさ紛れに、この僧侶は素早く逃げてしまったと言うことです。

                       おわり


しょうげんの一言:宇治拾遺物語から拾ってみました。仏教衰退・僧侶の質の下落が見られますね。

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Category: 古典文学

鬼に食われた婿

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財に目がくらみ娘を鬼に食われた話  (今昔物語 巻20 第37)

 昔々、大和の国、十市(といち)の郡、あむち村の東の方に住む人がいました。

大金持ちで、姓は鏡造(かがみつくり)です。

一人娘が居てとてつもない美人で、まったくこのような片田舎の娘とは思えません。

 まだ未婚ですから、その辺りの若者達は結婚を申し込みます。

しかし、堅く断って数年経つ中に、強硬に求婚する人がいて、

それをも断り続けていると、色々な財宝を車三両に積んで贈りました。

親たちはそれを見て、忽ち財宝に目がくらんで、遂に求婚を受け入れることにしました。
 
 
そこで、吉日を選んで、この人が来ました。

すぐ寝室に入って、娘と初夜を迎えます。
 
夜中頃に娘が大声で、「痛いわ、痛いわ。」と三度ほど叫びました。

親たちは、それを聞いて、顔を見合わせ、

「娘は、処女だったから、初めての時は痛いのだ。」

と言ってにっこり笑い、ほっとして眠りにつきました。
 
 翌日夜が明けて、娘がなかなか起きてこないので、母親が部屋の外から声
をかけても、返事をしません。

不思議に思って、近寄ってみると、娘の頭と一本の指だけがあって、

あとは何にもありません。血はどっさり流れていました。


 親たちは、それを見て声を限りに泣き叫びました。

それから、あの贈られた財宝を見ると、いろんな馬や牛の骨でした。

財宝を積んだ車は、グミの木でした。
 
 これは、鬼が人に化けてきて食ったのか、または神が怒って祟ったのか、

と疑って嘆き悲しんでいると、その辺りの人々がうわさを聞いて集まり、

みんな気味悪がっています。
 
 その後、娘のために、きちんと仏事を修め、娘の頭を箱に入れて、

初七日に当たる日に、仏様の前に置き、坊さんや尼さんを呼んで、

法要を営みました。

 
 これを考えてみると、人間は財宝をむさぼったり、それに媚びてはいけないのだ。

これは財宝に媚びた結果であると、親たちは悔い悲しんだと語り伝えているということです。
                       
                            おわり
       

しょうげんの一言:残酷な話ですが、なるほど説話文学ですね。

Category: 古典文学

少女と狗が

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少女と狗(いぬ)が噛み合って共に死んだ話
               (今昔物語 巻26 第20)

 むかーし昔。或る国に住んでいた人の話。その家に年は十二,三歳ほどの

女の童が使われていました。またその隣で白い狗を飼っていましたが、

どうしてなのか、この少女を見つけると、この狗は食いつこうとして、

目の敵にしていました。

 だから、女の子も、この狗を見るたびに、叩こうとしたので、近所の

人も全く不思議なことだと思っている中に、女の子は病気になってしまいました。

疫病だったのでしょうか、数日経つ中に病状が悪化したので、

 (※当時、召使いなどが病気になると、万が一、死んだ場合、死の穢
  れに触れるのを恐れて、門前に筵(むしろ)一枚敷いて、放り出して
  おく風習があったのです。)

主人が、この女の子を外に出そうとしました。

すると、女の子は、

「私を人気(ひとけ)のないところに出したら、きっとあの狗に食い殺

されます。病気でない元気なとき、他の人が見ているときでさえも、私

の姿を見ると、噛み付くのです。まして、人気のないところで、私が重

病で弱っていたら、必ず食い殺されるでしょう。だから、あの狗の分か

らないような所に、置いて下さい。」

と言ったので、

主人は、全く言うとおりだなと思って、遠いところに、食べ物などを充

分整えて、密かに出してやりました。

「毎日、一二度は必ず人をやって、様子を見させるから。」

と安心させるようなことを言って、送り出しました。

 ところが、その翌日は、この狗の姿はいつも通り村で見かけました。

だから、この狗は、女の子のことは知らないのだろうと安心していると、

次の日、狗の姿は見えなくなりました。

 もしや、と思って、この女の子を置いてきた場所を見に、人をやりました。

行ってみると、なんと、狗は女の子を見つけて、噛みついていたのです。

しかも、女の子も狗に噛み付いたままで、どちらも死んでしまっていたのです。

使いの者は、それに手を着けずに、すぐ戻って、この様子を話したので、

女の子の主人も、狗の主人も、一緒に女の子の所へ行って、その姿を見て、

驚きもし、今更ながら不憫に思って、涙を流しました。


 これを考えると、この世だけの仇同士ではなかったのかと、人々は訝

しく(いぶかしく)思ったと、語り伝えたとか言うことです。

                      おわり。

しょうげんの一言:

 何とも悲惨な話ですね。それを前世の因縁で片付けているのですね。

 愛犬家や動物愛護協会の方からはクレームが付きそうなお話です。

Category: 古典文学

蕪を食べて妊娠した娘

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蕪を食べて妊娠した娘 (今昔物語・巻26、第2)

 むかーし、昔。京都から東国に下る者がおりました。

どこの国かは分かりませんが、或る村里にさしかかったときに、

急に股間がむずむずして、女の体が欲しくなり、とても我慢が出来ず、

と言って旅先のことでどうすることも出来ません。

心も逸って、あれやこれやと悩んでいると、道ばたの垣根の中に、

青菜というものが勢い良く生い茂っていました。

 十月頃のことなので、蕪が大きくなっていました。

この男は馬から下りて、その垣の中に入って、蕪の大きなのを選んで引き抜いて、

それに穴を開けて、その穴にいちもつをさし込んで射精し、満足して、

その蕪を垣の中に投げ入れて、旅を続けました。

 その後、その畑の主が、青菜を取り入れるために、下女をたくさん、また、

幼い女の子なども連れて畑に来ました。

その畑の青菜を取っていたとき、

年は14,5歳で、まだ男の肌に触れたこともない娘がいて、

他の者たちが青菜を取っているときに、一人で垣根の辺りをブラブラ歩いていて、

あの男が投げ入れた蕪を見つけました、

「ここに穴を開けた蕪があるわ。一体なんでしょう?」

と言いながら、しばらく手に持って、いじくり回している中に、

どうしたことか、急に萎びてきたのです。

それを見て、なんとなく手で引きちぎって、食べてしまいました。

そうしているうちに、青菜の取り入れも終わって、みんな家に帰りました。

 その後、この娘はなんとなく悩ましげで、食欲も減退し、気分の悪いこと

が続いたので、親たちが「どうしたんだろう?」と心配している中に、

数ヶ月経つと、なんと既に妊娠している事に気付きました。
 
親たちはあきれ果てて、

「一体どうしたことなんだ」

と娘を責め立てましたが、

娘が言うには、

「私は、全く男の側にさえも寄ったことはないわ。ただ不思議なのは、

大分前に、変わった蕪を見つけて食べたの。

その日から、気分も変になり、こうなってしまったんだわ。」

と、言いましたが、親たちは、納得できず、召使い達にも尋ねました。

その召使い達も、

「お嬢様が、男の側に寄るのを一度も見たことがありません。」

と、言ったので、あきれ果ててどうしようもなく、数ヶ月経って、月満ちて、

非常に可愛らしい男の子が無事に産まれました。

 その後、とやかく言ってもしょうがないので、親たちがこの子を育てているうちに、
あの東国に下った男が、任地に数年に居て、また京都に上ることになり、

お供を沢山連れて、あの畑の側を通りかかりました。

この娘の親も、数年前のあの時と同じように、この畑の青菜を取ろうと、

召使い達をつれて、この畑にいたところ、

この男があの垣根の辺りを通り過ぎるときに、大声で供の者に話しかけました、

「ああ、そう言えば、先年東国に下るとき、ここを通りかかって、急にどう

しようもなく開(つび-女性性器のこと)が欲しくなったので、この垣根の

中に入って、大きな蕪を一つ取って、穴を抉って、それに挿入して満足し、

その蕪は垣根の中に投げ入れたよ。」

と、言ったのを、この母親が垣根の中で、耳にとめて、娘の言うことを思い出して、

奇妙なことだと思ったので、垣根から出て、

「もしもし、どうしたんですって?」

と、声をかけると、男は、蕪を盗んだことを咎めるのだと早合点して、

「冗談だよ。」

と言って、逃げようとすると、

母親は、

「非常に大事なことでございますので、どうしてもお聞きしたい事があるの

です。さあ、隠さずにおっしゃってください。」

と、泣かんばかりに言うので、その男は、何か訳があるのだろうと思って、

「隠すようなことでもございません。また、私が重大な罪を犯したとも思い

ません。ただ凡人の身ですから、確かにこれこれの事がありました、それを

世間話のついでにしたのです。」

と言うと、母親は涙を流しながら、男を引きずるように家に連れていこうと

するので、男は何のことか分からないけれども、母親の強引さに負けて、付

いていきました。

 座敷に通して、母親が言うには、

「実は、これこれのことがあったので、その子供の顔と、貴方の顔を見比べ

てみたいと思うのです。」

と言って、その子を連れてきてみると、この男に瓜二つでした。

その子を見ると、男も不憫になって、

「こんな奇態な因縁もあるものですね。どうしたもんでしょうかねぇ。」

と言うと、

母親は、

「今は、もう貴方のお心次第です。」

と言い、その子の母を呼んで会わせると、身分は低いけれども、こざっぱり

とした綺麗な娘です。年は二十歳ほどです。

子供も五六歳ほどで、非常に可愛らしいのです。

男は、これを見て考えました、

 自分は、京へ戻っても、両親は居ないし、頼りになる親戚縁者も居な

 いし、頼られる妻子も居ない。それに較べれば、これは、前世からの

 因縁だろう。この娘を妻にして、ここに留まろう。

と、深く決心して、そのまま、その娘を妻として、そこにずーっと住み

付きました。

 これは滅多にないことです。しかし、男女が交わらなくとも、体の中

に精液が入れば、このように子供が生まれるのだと語り伝えたと言うことです。


しょうげんの一言、現実にはあり得ないことですが、前世の因縁でしょうか。

Category: 古典文学

蛇とまぐわった女(今昔巻24第9)

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蛇と結婚した女を医者が治した話 (今昔物語 巻二四 第九 )


 むかーし昔、或る男が河内の国讃良郡馬甘里(ささらのこおりうまかいのさと)に住んでいました。

身分は低いけれども大金持ちで、若い娘が一人おりました。

 四月、その娘が、蚕(かいこ)のために、大きな桑(くわ)の木に登って桑の葉を摘んでいます。

その桑の木は道ばたにあったので、近在の農夫が何気なく見ると、大きな蛇が、その木の根本にとぐろを巻いていたのです。

その農夫が、「娘さん、蛇がいるよ。」と教えました。

娘が見下ろすと、本当に大きな蛇がとぐろを巻き、赤い舌をちろちろ出しながら、見上げているのでした。

 その娘さんは、あわてふためいて、木から飛び降りました。

蛇はたちまち娘の体にからみついたかと思うと、その娘さんのあそこにペニスを差し込んでしまいました。

娘さんは、もだえ苦しんで、その木の根元に死んだように倒れ伏してしまったのです。

 親は、それを見て、泣き悲しんで、すぐ医者を呼んで診て貰おうとすると、ちょうど、この国に有名な医者がおりました。

さっそく、その医者を呼んで、相談します。

その間も、蛇は娘とまぐわったままです。

 医者が言うには、

「先ず、娘さんと蛇を同じ床に乗せて、急いで家に連れていって庭に置きなさい」

と。言われたとおり家に運んで庭に置きました。

 黍(きび)のわら三束を焼き、お湯に溶かして、汁三斗にし、それを煮詰めて二斗にして、

猪(いのしし)の毛十把をこまかにきざんで、その汁に合わせて、

それから、娘の頭を抑えておいて、足をつり上げて、その汁を娘の膣にそそぎ入れました。

一斗ほど入れると、蛇は離れて逃げていくので、打ち殺してしまいました。
 
その時、蛇の子が凝り固まって、蛙の子のようになって、猪の毛が蛇の子に突き刺さって、五升ほど出ました。

蛇の子が全部出てしまうと、娘はようやく意識を取り戻して、口を開くことができました。
 
 親たちが、泣きながら、体の具合を尋ねると、娘は、

「私は全然なんにも覚えてませんわ、何だか夢を見てたような気分だわ。」

と言うだけです。

 こうして、娘さんは、薬の力で命が助かり、その後身を慎んで過ごしていましたが、

三年後、また蛇にまぐわわれて、遂に死んでしまいました。


この時は、前世の因縁だと思って、医者にかけようとはしなかったのです。

 この話は、医者の力、薬の効果は不思議なものだと、語り伝えたものです。
               
                        おわり。

しょうげんの一言

 蛇が人間の女と交尾したというあり得ない奇妙な話ですが、

結びに、そのことには触れずに、医者・薬の効果云々としているのが、不気味でした。

Category: 古典文学
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